はじめに
これまで「空間」、「家事」、「選択」、「デジタル」と、生活のノイズを減らす話を書いてきました。最後は、もう一段上のレイヤーである心のノイズについて書きます。
心のノイズは、目に見えません。でも、生活の質を一番左右するのは、実はここだと思っています。
私が目指しているのは、悟りでもポジティブ思考でもありません。ただ、余計な情報を減らして、今の自分が大切にしたいことに集中できる状態を作りたい。それだけです。
このシリーズは「私が持たないもの」を軸に書いてきましたが、今回の「心のノイズ」だけは少し性質が違います。もののように手放して終わり、とはいかないものです。
だから正確には「完全に持たない」と言い切るより、持たないように整えているものとして書きます。
私が手放したい心のノイズ
気乗りしない交友関係
冷たい言い方に聞こえるかもしれませんが、私は「気乗りしない交流」を減らしています。人付き合いは大事です。ただ、会った後に疲れが残る関係まで抱えると、心のノイズになります。
価値観は時間とともに変わります。昔は楽しかった関係でも、今はしんどい、と感じることは普通に起こります。だから私は、関係を切るというよりも、自然に距離を取るという整理をしています。
- 無理に合わせて予定を入れない
- 気乗りしなければ返信を急がない
- 会う人を「今の自分基準」で選ぶ
これだけでも、日常の摩耗が減りました。
他人を過度に心配する気持ち
ニュースで流れる悲しい事件や世界情勢、これらを気にし始めると、気持ちはいくらでも重たくなります。もちろん、無関心でいたいわけではありません。ただ、私はある時からこう考えるようになりました。
「遠くのことを心配して自分が摩耗するより、まず自分を整える必要がある」
自分の生活が安定している人の方が、結果として周りにやさしくなれると思っています。心配するなら、まず身の回りからだと思っています。その順番の方が、自分にとって誠実だとも考えています。
見栄
私が手放したもの、正確には手放しつつあるもの、の中で厄介なものの一つは「見栄」です。見栄は、派手な買い物だけの話ではありません。日常の中にも入り込んできます。例えば、
- 周りから良く思われたい
- ちゃんとしているように見せたい
など、こういう外向きの視点が増えるほど、心の中は騒がしくなります。しかもこの視点は自分ではコントロールできません。
逆に、意識を内側に向けると静かになります。自分がどう感じるかということに重きをおけば判断がシンプルになるからです。
過去を引きずる気持ち
嫌な経験や、納得できない出来事。人生経験を積むほど、そういうものはどうしても増えていくと思います。ただ私は、あるタイミングでこう割り切るようになりました。
「反省が必要ならば反省する。けれど、いつまでも引きずらない」
後悔や恨みは、持ち続けるほど自分の精神力を削ります。過去の出来事を消すこともできませんし、相手の本性を変えることもできません。思い切って、そのネガティブな気持ちは早めに損切した方がいいと思っています。
将来を過度に心配する気持ち
将来の不安は、ゼロにはならないと思います。健康、仕事、お金、親のこと。考え始めるときりがありません。
でも私は、こういう方針にしています。
- やるべき備えは淡々とやる
- それ以外は、今を楽しむ方に振り切る
不安を消すことは難しくても、増やさないことはできると思います。今が整えば未来も整いやすい。極論かもしれませんが、私は「今をよく生きる」ことが一番大切だと思っています。
自分の限界を予め決めること
心のノイズの正体は、外側だけではありません。自分自身が作るノイズもあります。
- どうせ無理
- 自分には才能がない
- ここまでが限界
こういう先回りのあきらめは、気付かないうちに行動を止めます。でも実際は、限界なんてやってみないとわかりません。
自分の心がそう決めた瞬間に、本当にそこで終わってしまいます。限界は外からくるより、先に自分で作ってしまうことの方が多いと思いました。それに気づいてから、決めつけるのをやめました。
おわりに
心のノイズが完全になくなることはありません。人間である限り、常に湧いてくるものだと思っています。だからこそ「一度手放して終わり」ではなく、これからも整え続けるつもりです。
空間が静かだと、生活が静かになる。
生活が静かだと、心が静かになる。
そうすると、今を充実させられる。
私はこの順番が、とても気に入っています。
これでシリーズの一区切りです。ここまで読んでくれてありがとうございました。
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