はじめに
ここまで「空間」、「家事」、「選択」と、生活のノイズを減らす話を書いてきました。今回はその延長として、デジタルのノイズを減らす話をします。
デジタル技術は便利なものです。便利である反面、静かに注意を奪う仕組みが隠れています。私は、スマホやアプリの使い方を少しずつ削っていった結果、生活のざわつきが明確に減ったと感じています。
目的は「デジタル断ち」ではありません。便利さは残したまま、余計なノイズを取り除くというものです。
私が持たないもの
スマホの不要なアプリ
私が最初にやったことは、スマホの中身を減らすことでした。たくさんのアプリがある状態は、それだけでノイズになります。
アプリが増えると、
- 画面が散らかり、注意が奪われる
- 通知が増えて、集中が途切れる
- 無自覚なままに、時間が溶ける
こうした小さなストレスが積み上がります。そのため私は、単に「便利そうだから」ではインストールはしません。逆に、それがないと生活が回らないかという観点で残すものを決めています。
今入れているのは、LINE、ChatGPT、Apple Music、Google Maps、Outlook、銀行アプリくらいです。それ以外は必須ではないので、必要になった時に入れて、役目を終えたら削除しています。
スマホは道具です。道具の側が注意の主導権を握り始める状態は危険だと思っています。こちらが使うのではなく、使われている感覚になるのは避けたいと考えています。
ブラウザ
私の場合、スマホからブラウザを消しています。これは少し極端かもしれませんが、個人的には効果が大きかったと思っています。私は削除していますが、まずは「ホーム画面から消す」、「検索専用の端末に寄せる」だけでも効果はあると思います。
ブラウザは便利です。でも同時に、全ての情報へ直結する入口でもあります。
目的を持って開いたはずが、気付けば別の記事、SNS、動画、という流れが起きやすいです。このように「迷子」になりやすさこそ、デジタルの危うさだと思っています。
情報は手に入るが、その代償として注意が削られている感覚があります。だから私は、スマホを「情報収取」ではなく、連絡と最低限の用事を済ませる機械に寄せました。
通知
通知は本当に強力です。なぜなら、こちらの都合とは無関係に集中を切り刻んでくるからです。
何かに集中していると、私たちは「深く入っている状態」になっています。これは少しずつ思考が積み上がっていく状態で、作業が進むだけでなく、気持ちも整っていきます。
ところが通知は、その積み上げを一瞬で止めます。
通知があると、
- 集中している状態が途切れる
- 思考が分断される
- 作業再開までの時間がかかる
ということが起きます。特に厄介なのは、通知そのものに数秒しか時間がとられなかったとしても、元の状態に戻るまでに余計な時間がかかることです。一度、外に出た意識をもう一度同じ深さまでに整える必要があるためです。
通知が多いと、「中断→復帰」を一日に何度も繰り返すことになります。これは単に作業効率が落ちるという話ではなく、精神的に疲れる原因にもなります。
だから私は、通知を「便利な機能」ではなく、注意資源を削る仕組みとして見ています。大事なのは、通知をゼロにするということではなく、こちらが主導権を握った状態に戻すことです。
無限に流れるコンテンツを持たない
ストリーミング動画、単尺動画、無限に再生される音声。こういうものは、疲れている時ほど吸い込まれます。
私自身、これで時間が溶ける感覚を何度も経験してきました。見ている最中は気持ちいいのに、終わった後に残るのは満足感ではなく、むしろ虚無感だったりします。
これは、「娯楽が悪い」という話ではありません。無限に続くように設計された仕組みが、単純に強すぎるという話です。
私は今、動画サービスのサブスクはしていません。見たい作品がある時だけ、レンタルや買取を行うようにしています。
制限があると、その分だけ向き合い方が丁寧になります。結果として、得られるものが増えた感覚があります。
スマホ画面の色(白黒)
私は今、e-inkスマホBigme HiBreak Proを使っています。画面は完全に白黒です。
これが想像以上に気に入っています。
色がないだけで、スマホが「娯楽」から「道具」に戻ります。刺激が少ないものです。結果として、スマホに注意が奪われる感覚を減らすことができました。
情報は取れるが、注意は取られにくい。このバランスが、今の自分にはかなり合っていると思います。
おわりに
デジタルのノイズを減らすことは、世の中の便利さから少し距離を取ることでもあります。でも、距離を取った分だけ、自分の時間と注意が戻ってきます。静かなデジタル環境があると、生活そのものが落ち着きます。
もちろん、これは人によって合う合わないはあると思います。全部をまねする必要はありませんが、どこか一つでも取り入れられそうと思える部分があれば嬉しいです。
7件のコメント