少し昔の話ですが、ミニマリズムに今よりも熱中していたころ、引っ越しをタクシー移動だけで済ませたことがあります。都内から都内の移動で、荷物は一度で運び切れました。

この写真は撮影したタイミングこそ違うのですが、内容としては引っ越し当時の私の持ち物とほぼ同じです。この程度の量であれば、一度のタクシーで持ち運べます。
タクシー移動が快適だった理由
タクシーでの引っ越しが良かった理由は、単純です。
- 引っ越し業者との日程調整が不要
- 自由度が高い(思い立ったタイミングで動ける)
- 当然ながら費用も低い
実際、このときのタクシー代は都内から都内の移動だったこともあり、5,000円以内に収まりました。
引っ越しは普通、業者の見積もりや日程調整が発生する、大変なイベントの一つです。しかし荷物が少ない場合、それらが一気に不要になります。「引っ越し」というイベントが、ただの荷物の多いタクシー移動になる。これは自分にとってかなり大きな体験でした。
持ち物は100点以下だった
当時の持ち物は、点数でいえば100点以下に収まっていました。理想を言えば、バックパックひとつで徒歩引っ越しができれば美しかったのですが、そこまでは身軽ではありませんでした。
それでも成立したのは、大型家電・家具を持っていなかったからです。冷蔵庫・電子レンジ・テレビ、ベッドや収納家具など、大きなものは手元にありませんでした。
また、洋服もかなり少なかったと思います。1シーズンに2点ほどのバリエーションを回すような感覚で、必要最小限にしていました。
これらの条件が重なって、タクシーで十分な分量になっていました。荷物をパッキングする必要はありますが、そもそもの荷物が少ないので、イメージとしては、海外旅行の前にスーツケースへ洋服などを詰め込むのと、それほど変わらない程度の負荷でした。
引っ越しの準備に気力を奪われるという感覚がなかったことを、今でも覚えています。
この状態に至るまでの過程
ここに至るまでには、当然ながら紆余曲折がありました。もともとは少し広めの家に住んでいたのですが、せっかくミニマリスト的な生活ができているのだから、「狭い家に住んでみたい」という衝動が抑えきれなくなり、6畳ほどの小さな部屋へ引っ越したことがあります。
制約のある空間に移ると、サイズの大きいものは自然と手放すことになります。そして何より、追加で物を買わなくなります。その状態で引っ越しの日を迎えられたことが、タクシー引っ越しを成立させた最大の要因だったと思います。
タクシー1回の実現可能性
「タクシー1回で引っ越しを完結させる」という条件は、実際にはかなり厳しい制約だと思います。大型の家具や家電がひとつでもあると難しいはずですし、それ以外の物も必要最低限に絞る必要があります。
当時の私は自然体でその持ち物で生活できていましたが、生活にしわ寄せが出るほど手放す必要はないと思っています。自分に合う“最小限”で十分だと思います。
共感されづらい密かな達成感
タクシーで引っ越しをしたところで、誰かに褒められるわけではありません。仲の良い友人にネタとして話す程度で終わります。
それでも、自分の中ではかなりの達成感がありました。なぜなら、自分にとっての最小限の持ち物が確認できたからです。持ち物の点数が少ないほど、生活の自由度が上がる。その感覚を体験として掴めたことが、当時は少し誇らしくもありました。
今もこの経験は残っている
今は当時ほどストイックではありません。持ち物に対する条件も少し緩和しています。それでも、あの引っ越しはミニマリズムを取り入れる人間として、ある意味でひとつの到達点のような感覚があります。
持ち物を減らすことは、ただ生活を軽くするだけではありません。移動の自由度を上げて、人生の選択肢そのものを増やす。そんなことを実感できた体験でした。