興味を持ったきっかけ
デジタルデトックスやデジタルミニマリズムという言葉を強く意識するようになったのは、デジタルデバイスやコンテンツに対して、お金や時間といった貴重なリソースを、無自覚に投下しすぎているのではないかと感じたことがきっかけでした。
iPhoneは2~3年毎に買い替えていましたが、本当に必要かどうかを深く考えることなく、「そういうものだから」という感覚で選んでいたように思います。かつてスマートフォンに感じていた先進性や高揚感は薄れ、便利ではあるものの、どこか惰性で使っている存在になっていました。
一方で、YouTubeなどのデジタルコンテンツに費やす時間はいつの間にか増えてきて、自宅での余暇の時間の多くが、気づけば画面を眺めることに使われていました。
当時は30代後半に差し掛かったころでした。これから始まる40代からの20年ほどは、体力や判断力も十分に使え、これまでの経験も生かしやすく、人生の中でも充実させたい時期にしたいと考えていました。
その時間を、自分で選んだわけではないコンテンツに使ってしまうのは、少しもったいないのではないか。そんな違和感が、デジタルとの向き合い方を見直す出発点でした。
「使わない」ではなく「選びたい」という感覚
デジタルデトックスに取り組む中で、一貫して意識しているのは、デジタルそのものを否定したいわけではない、という点です。問題にしたかったのは、自分の意志とは関係なく、時間や注意が浪費されていく状態でした。
時間は、いくらお金があっても取り戻せない資源です。だからこそ、何に時間を使うのかを、自分の意識で選びたい、という気持ちが強くなっていきました。
デジタルコンテンツは、注意を引き付ける巧妙な仕組みが前提として作られています。そのため、意志の力だけで適切な距離を保つのは難しく、環境そのものを整える必要があると感じています。
これまでに試してきたこと
まず手を付けたのは、生活の中で「流れてくる情報」を減らすことでした。
- テレビを手放す
- 定額制のサブスクリプションは使わない
- コンテンツは購入・レンタルで視聴する
- 自宅以外の環境(喫茶店や図書館)を活用する
- スマートフォンを持たず、書籍とノートだけで外出する時間を作る
いつでも情報に触れられる状態をやめるだけで、思っていた以上に気持ちが落ち着きました。
スマホやパソコンとの距離感
スマートフォンやパソコンについても、今も試行錯誤を続けています。
- スマートフォンの機能や表示を極力シンプルにする
- 必要最低限以外のアプリやサービスから距離をとる
- うっかり消費してしまう行動が起きにくい環境をつくる
上記は具体的ではないですが、また別の機会に技術的な内容もまとめたいと思っています。個人的に施行した内容はやや極端に見えるものもありますが、我慢するより、最初から選べない状態にしておく方が、自分に合っていると感じています。
少しずつ感じている変化
これらの取り組みを始めてから、劇的に生活が変わったわけではありません。
ただ、
- 時間が細切れになりにくくなった
- 何をするか考える余白が増えた
- 何も未定な時間に違和感を覚えなくなった
といった、小さな前向きな変化は着実に出てきています。
デジタルデトックスは、一度やって終わりのものではなく、自分に合う距離感を探し続けるプロセスなのだと思っています。
最後に
ここに書いた方法が、誰にとっても正解だとは思っていません。絶え間なく流れてくる情報に触れること自体が楽しみや喜びになる人もいると思います。
ただ、「時間をどう使いたいか」を一度立ち止まって考え、そのための環境を自分なりに整えてみることは、十分に試す価値があると感じています。
このブログでは、こうした試行錯誤の過程も、引き続き記録していくつもりです。